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命を懸けても [ターミナルについて]

身体がとても衰弱していて、

ゆっくり寝ていたほうが良いと、

誰の目にもそう、わかるくらいの時。

それでも今までオムツしていたのに、どうして突然

「トイレに座りたい」なんて希望がでるのでしょう。

お風呂もきらいだったはずなのに

「髪の毛洗ってきれいにしなくちゃね」

なんて入浴の希望をされるのでしょう。


脈拍が微弱で、息も苦しそうなのに

それでも苦しくないです、って。

絶対苦しいはずなのに、苦しいっていうことも感じなくて

一度も苦しいって言わなかった。


そんな状態でトイレにいったり、

お風呂に入ったり。

普通、やめましょう、明日にしましょう、

って説得するのですが。


危険な状態で入浴して、案の定意識がなくなって

慌てて着替えて部屋に戻って、

そこまでしても、最期はきれいでいたかったのでしょうね。


こういう決断するのが切ないけれど、

病院では許されない事が多い個人の希望を

施設ならある程度叶えてあげられる。

医務は制限をかけるためにあるのではなくて、

日々の生活を守るためにいるんだと、

安心できるように、声をかけて、

観察をして、迅速に対応できるように。

そのための日々の関わり、

大切なものを見失わないように。

同じ目標に向かっていくのなら、

その上で各職種間での連携が必須となりますね。


ターミナルの時の点滴 [ターミナルについて]

家族からは「点滴したら元気になって身体も楽になるのでは?」

っていう質問をされることがあります。

今まで浮腫みがひどくて利尿剤を使ってちょうどよく

コントロールしていたり、心臓もそれほど丈夫じゃない、って

90代後半にもなれば誰でもほとんどの方がそんな感じになることが

多いのかもしれませんが。。。


特養施設では基本的に病院ではないので、夜間看護師不在の間も

持続の点滴をつないでおくことはあまりないことだと思います。

点滴の針が抜けてしまったときに気が付かなくて、出血多量に

なることも考えられますし、点滴の交換も介護職員にお願いしても

良いことだとは考えられません。

そうなるとIVHなどの高カロリー輸液はできず、抹消血管から入れる

普通の点滴のみ、看護師のいる時間でという開業医と同じレベルが

精一杯の対応ということになります。

家族だけでなく本人からも

「点滴すればご飯を無理して食べなくても大丈夫なの?」

っていう質問もありました。

でも、抹消の手や足から入れる点滴ではカロリーはそう高いものは入れられません。

ポカリスエットを飲むのと同じような電解質のバランスが整った

水分補給程度になってしまいます。口からジュースが飲めているのなら

点滴までして水分を補う必要がどのくらいあるのでしょうか?


ターミナル期の倦怠感、身の置き所のない辛さ、

そういうのは必ずしも脱水からのみおこりうるとは考えにくく

貧血だったり、肝、腎機能悪化だったり、長期臥床による苦痛だったり

何が原因で安楽を阻まれているのか、きちんと多角的にアセスメントしないと

分からないことだと思います。ただ、検査データがないと判断できないことも多く

推測で対応するしかないことも病院とはちがう施設の難しいところです。


点滴をして体内の水分を増やすことで、もしかしたら心臓に

負担をかけてしまうことになるかもしれないですし、

貧血の血液がさらに薄くなって、身体がだるいと感じてしまうかも

しれません。したほうが良い、しないほうが良い、というのは

誰にもわからないことかもしれません。

その判断を家族や、看護師が簡単にしてしまうことはできません。


本人の気持ちを優先しつつ、それぞれの家族が看ている立場の気持ちではなく、

本人の気持ちを上手に確認して本人の希望に沿うような形での

ターミナルを手助けできれば、と思っています。




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生命力 [ターミナルについて]

医師には余命〇カ月、という宣告をされていたとしても、

決してそれが当たるとは限りません。

生命兆候が弱ってきているということを看護として実感して、

たぶんこの人はあと少しの間しか生きることができないだろう、

っていう予想はなんとなくすることができます。

でもその予想も、とても不正確なもので予想をすること自体

ひどい話だと思います。

専門職として、その時が近づいてきたら心の準備もします。

最近は、自分たちだけではなく、介護職員の精神面も考えて

できるだけ突然ではなく、いつその時がきてもおかしくない状態だ、

ということを何度となく口にするようにして介護職員にも心の準備を

していてほしいと思っています。



でも、生命力とは本当に測り知れないものです。

尿もかなり少なくなり、足の指にはチアノーゼがでてきて

もうそろそろなのかもしれない、って思っていても

そこからまた回復して元気になるということもあるんです。

あと少し、きっと桜は見れないだろう、なんて思い頑張って死ぬ気で

モクレンを見に行ったと思ったのに、桜もみることができた!

そんな嬉しいこともあります。



生命力は決して薬の効果だけではありません。

その人の精神力、免疫力、いろいろなものが絡み合って

今日消えてしまうかもしれない命が、ある人の面会によって

生きる力を強くして、あと1週間の延命につながることもあるのです。

それを考えると、いつもそばで介護している職員の存在は

その人の生命力を左右してしまう、一番重要な位置にいることになります。

その人にとってどのくらい気持ちの良い、過ごしやすい空間を作るかで

免疫力が高まったり精神的にも強くなり一日でも、何時間かでも

命をつなぐ時間が持てるのだと思います。


そんな貴重な最期に立ち会えるということは、このような職業についていなくては

経験することのできないことです。

いろいろな人がいますが、自分の死を受け入れていく過程、

心の中はとても尋常なものではないと思います。

長く生きることが幸せではない、という高齢者の方もたくさんいますが

そうではなくこれだけ生きていられて本当に幸せだった、って

思ってもらえるような関係を作って、傍にいさせてもらいたいと思います。


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ターミナルの苦痛緩和 [ターミナルについて]

癌の末期のターミナルの場合、必ずではありませんが、

痛みが伴うことが多くあります。

その時に麻薬を使ってコントロールしなくてはいけないこともあり

病院だったら塩酸モルヒネの注射薬を使うのがメジャーですが、

在宅でもアンペック座薬、デュロテップパッチの貼り薬、

MSコンチンでの内服薬上手にコントロールできれば

いくつかの在宅で過ごすことのできる方法があると思います。


特養では、というと。

嘱託医師が麻薬処方ができるかどうかと、施設で看護師管理で

麻薬の投与ができるかどうか、ということで各施設の差があると思います。

麻薬をおく、ということは鍵付の場所に保管して、きちんと数を確認し、

管理していくということが必要となります。

それから副作用の呼吸抑制で呼吸が止まってしまう可能性も考えなくてはいけません。


今回ターミナルで痛みを伴う方に、カロナールの処方がありました。

それほど強い薬ではないので実際に効果があるかどうか、

これからもっと薬の種類を変えていって強い薬にしていくとすると

呼吸よりも血圧が下がるのはないか、そのまま急変に結びつく可能性も高く

その状態を看護師のいない真夜中に、ということになると、本当に怖いです。


特養=自宅の延長、と言う考えでといってもなかなか難しいところです。


心不全だけど入浴 [ターミナルについて]

胸痛発作で何回か救急搬送されていて、

病院では入浴は負荷がかかるので清拭のみ。

ベット上での生活を強いられます。

でも、状態が落ち着き特養に帰ってきて

本人の希望でどうしても入浴したいと言われた時、

ターミナルの同意書もあり、できる限り

本人、家族の意思尊重します。


何回か特浴での入浴を行っていました。

全身の痒みもひどくよもぎ湯の入浴剤も使って

それなりに満足のいく緩い安静度になっていました。


でも入浴するとき苦しくなり、お風呂に入るのはやめよう

と介護職員がいっても本人がきかず、どうしても入りたいと

強く希望されたため、私たちが呼ばれた時には

浴槽の中で顔色不良、胸痛発作、呼吸困難となっていました。

本人もようやく察して苦しい中

「もうでる~~~!!」と、すぐに浴槽からでましたが

着替えることも難しいほどの状態でした。

酸素投与に、ニトロ舌下、家族を呼んで

ニトロは2錠まで使いました。


30分くらいして少し落ちいてきたのでよかったのですが、

本当に危険です。

血圧は180/130mmHg くらい、脈拍は100回/分

酸素3L投与してSpO2は92%という状態でした。



施設では極力、ターミナルの方など本人の希望を叶えようと

病院では絶対できないことをさせてあげることができます。

だけど、こんな感じの危険が常にあるということを

忘れてしまいそうになりますが、とんでもないです。


家族からは年末年始はお風呂を中止してください、との

申し入れがありました。本人の希望と一致するかどうか

難しいところですが。
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食形態について [ターミナルについて]

もともと制限食であっても、食事量が減ってきて

食べれるものなら、なんでもいいから食べてほしい、

となった場合、医師へ確認をして制限をはずし

食形態をやわらかいもの、ソフト食、ゼリー食に

変更していきます。

ただ、食事の見た目も普通の肉、魚、野菜と

異なってくるために四角いプリンみたいな食べ物を

食事として認識することが難しくなってきました。


入れ歯はあるので咀嚼は問題ないはず、と

認識してもらうために、改めて刻み食に戻してみると

少しだけですが食べる量もふえてきて、

自分で手を出す感覚も少しですが戻ってきたようです。


食べやすいように、と食事を単純にやわらかくしたのでは

かえって食べなくなってしまったということは

やはり食事というものが本来栄養補給だけではなく、

口に入れる前に、目で楽しんでそれから口で楽しみ、

という私たちは意識していない部分での食事の意味が

あるのだな、と思い直しました。


こういう提案は介護からと医務からと、栄養士さんと

みんなで話し合って決めていくのですが、

発端はいつも関わっていることの多い、介護職員から

というのが理想的だと思います。


いくら入れ歯があっても、問題は窒息しないかどうかの

心配は残るのできちんとした見守りの中で食事を

していただけるように配慮することを忘れないようにしたいです。


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エンゼルメイク [ターミナルについて]

エンゼルケアについては以前にも記事しましたが、

http://kaigo-kango.blog.so-net.ne.jp/2011-10-25

男性のメイクについては、ナチュラルメイクなら良いのでは、

と言う感じで書きましたが、実際にその場になると

はやり男性にファンデーションを塗ったり、パウダーを

使うということは慣れないものです。


御家族に意向をうかがっても

「お任せします、きれいにしてください。」

という言葉を頂くと、少しでも顔色をよく見せたいですし、

唇の色もベージュくらいなら、と言う感じで整えました。


問題は、痩せてしまった頬です。

入れ歯を入れると、頬骨の出っ張りが目立ってしまい、

窪みがきになるので、綿を入れてふっくらとした頬を

作ろうと試みましたが、なかなか自然な形にならなくて、

偶然、勤務中だった歯科衛生士さんに応援を依頼しました。


入れ歯は入れたまま、入れ歯と歯茎のあいだに

綿を薄くいれるのですが、すべりが悪いので

最初にレンタルリンスなどのマウスケア用品で乾燥を

湿潤させて、それから綿にもジェルやリンスを塗りこんで

すべりを良くしてまとまりやすくしたものを

少しずつ指で入れていれていきました。

もちろん外からは見えないように、隠します。


食べれない期間が長いと、どうしても痩せてしまうので

少しでも美人、美男子に戻そうとすると

こんな感じのエンゼルメイクになりました。



大学病院ではIVHなどで栄養管理されていて、痩せてはいても

やはり全く輸液をしていない場合とは違いました。


なかなかそこまでの方には出会うことはないのかもしれませんが

専門的な道具、手技がなくても綿とマウスケア用品で

少しでもプロの技に近づければ、と思いました。
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舌根沈下のとき [ターミナルについて]

ターミナルの時だけではないけれど、

舌の筋が脱力したり、緊張しすぎて

固くなってしまったりすることで

舌が喉の奥のほうに落ち込む現象がおきます。


その時にどんなことができるか。


病院だったら一番確実なのは気管挿管して

気道確保することですが、施設ではそうはいきません。


肩の下にタオルを丸くして入れて首を後屈させたり

側臥位にして喉の奥に舌が落ち込むのを防ぎ、

気道確保すること。

エアウェイという、口や鼻から筒状のものを挿入して

気管の入り口のふたのところまでの気道を

確保するものもあります。

あとは、観察を頻回にして異常の早期発見で

舌が落ち込んでしまうところを引っ張り出す、

舌鉗子という道具もありますが、これは少し

乱暴な感じがするので、手袋をして

指でそっと舌を手前に引き出してあげることが

できると良いかと思います。

医療的には観察しやすい部屋への移動など

できることはしてほしいと思いますが、

生活の場では安易に部屋を変えることもできず、

奥のほうの部屋で何回も訪室しなくてはいけなかったり

部屋の扉をあけておいても通りすがりに顔が見えない

位置だったりするので、病院と比べると、観察も

意識して忘れないようにしないと、ついうっかり、

ということがないとは言えません。


ターミナルの場合は大げさにいろいろすることは

少ないと思いますが、他にもいろいろな原因で

舌での気道閉塞の危険は考えられると思います。

その時の状態に応じた対応を、家族ともきちんと

相談して、後悔しないような対応をしていければ、

と思います。



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命と引き換えのQOL [ターミナルについて]

末期癌の人が外出をする場合、

出先で急変の危険があるのに、

希望があれば外出させてあげたい、

そう思う気持ちは理解できます。

だけど、何もなければよいのですが

もしも、の場合。。。



心不全の人がベット上での生活という

安静度で病院から退院してきました。

もちろん、お風呂もはいれません。 

病院でも清拭しかしていませんでした。

でも本人はどうしてもお風呂に入りたいと

何回も職員に訴えます。

もしもお風呂に入ったら、死んでしまうかもしれない

そう覚悟がある家族は、本人に

「お風呂はやめて身体を拭いてもらおう。」と

説得してくれました。

でも、お風呂をやめて清拭しても

その日の夕方急変しました。

回復して帰ってくれることを願っていますが

万が一のことがあったら、

お風呂に入れてあげられなかったこと

後悔するかもしれません。


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ショートステイのターミナル [ターミナルについて]

ターミナルといっても100歳も近くなると、いつ何時

老衰の自然な形での最期を迎える方がいても不思議ではなく

今までも、衰弱してきている利用者さんを見ていると

ショートステイ中に何かあったら、と心配なことが度々ありました。

今回は老衰ではなく、癌の末期と言われている場合、

ショートステイも比較的長い期間になると、いろいろな心配もあって

それにどう対応していくかということを考えなくてはいけなくなりました。


在宅と同じように考えれば良いのかと思うのですが、

痛みの評価、コントロール、レスキューの使用方法、

麻薬を使う場合の観察など、介護職員にも新たに

学んでほしいことがでてきます。


それに、もしもの場合の判断、救急搬送するべきか

しなくても大丈夫なような対応ができるかどうか。


以前の情報では救急指定医でしたら、救急搬送された

患者様の診断書をかくことはできても、

ショートステイの利用者が一度も嘱託医の診察を受けていないと

嘱託医は死亡診断書を書くことができないようですね。

そうなると、かかりつけ医に往診していただく、

救急搬送してもらう、という選択肢になるのか?

嘱託医の診察を受けてもらった人ばかりが

ショートステイを利用しているわけではありません。




どこの施設の、そういうケースに亡くなりそうな方の診断書を

どうしたらよいのか悩んでいることと思います。


看れる力があるのに受けることができないなんて、

どうにかならないものでしょうか。

ショートステイ利用中の方への嘱託医師の関わり方が

施設に差があり、難しいものとなっているのかと感じています。





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