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帯状疱疹Ⅱ [皮膚のこと]

帯状疱疹は神経に沿って赤くぶつぶつができて、痛痒くなります。

水ぼうそうにかかったことがあれば、免疫ができているはずですが

抵抗力が弱っている場合、再発のような形で症状がでることがあります。

水ぼうそうも、帯状疱疹も、ヘルペスも同じウイルスと考えてよい様ですが

ウイルスの種類は8種類あるとかかれていました。


どんな発赤疹が帯状疱疹か、っていう判断は見たことがなければ

なかなか難しいものですが、疑わしいときは皮膚科受診をお勧めします。


きちんと抗ウイルスの投与をすれば、治りますし

痛みもそれほどひどくならない場合もあります。

ゾビラックスは内服も点滴もあります、軟膏もあります。

最近はバルトレックスを使うほうが多いのかもしれませんが

きちんとした診断をうけていただきたいです。


浸出液や痰に混ざる分泌物からも飛沫感染しますので

個室での隔離が必要になります。


消毒はアルコールも次亜塩素酸も有効とのことで、

高齢者施設では少し気をつけていきたいところです。



それから、どこの部位に症状がでているか、ということで

その神経の支配する機能が低下していることも考慮したいです。

顔面にでることもあり、目や耳の近くだ視力や聴力も心配ですし

お腹の場合は、腸の動きも悪くなるような感じがします。


早めに見つけて、早く治療してなおしてしまいたいですね。




傷の処置 [皮膚のこと]

ちょっとした傷であれば介護職員が処置をしても良い、

ということでお願いすることもあります。

褥瘡はダメ、ということになっているようですが

それもおかしな話ですよね。

内出血のあとを見つけると、それ以上ひどいことにならないように、

フィルムドレッシング剤を貼ってしまうことが多いのですが、

それでもそのフィルムの中で皮膚が剥離して出血してしまう、

ということも、どうしても防ぎきれるものではありません。


傷の処置の方法で最近では消毒をしない、というのが

メジャーな考え方になっていると思います。

洗い流してバイキンをなくす、その後は皮膚の再生を待つ、

ということですがイソジンなどの消毒によって

正常な皮膚組織まで再生するのを阻害してしまうこともあるとのことです。


ただ病院にいる頃には洗浄といっても無菌の生理食塩水を使って

水道水は不潔、という概念で働いていました。

施設で働くようになって水道水=清潔という概念には

本当にびっくりしてしまいました。

今では日本の水道水をもう少し信用してよい、ということで

納得するようになりました。飲み水として良い程度のものですし、

カルキ臭い、ということで良いか悪いか真水ではないようですので。



少しの出血であれば洗ってカットバン、

大きいのであればガーゼとテープ、

もっと出血がひどくて止血困難な場合は

ステリストリップという少し高価なテープで

皮膚と皮膚を張り付けてから、カルトスタット、ソーブサン等を

使ってフィルム剤で覆います。

数日間は密閉して様子を見ることができますが、それでも出血が

ひどい場合には途中で処置をすることもあります。


浸出液だけであれば、デュオアクティブなどのドレッシング剤を

使ってフィルム剤保護するようにしています。


また、パーミパットというパット付のフィルム剤もとても使いやすいです。


ただ、密閉する場合は感染所見がないことが絶対条件になるので

少しでも傷の周囲が赤くなっていたり、緑色の汚い浸出液が出る、

などの場合にはきちんと消毒をして、ゲンタシン軟膏などを使い、

ガーゼやカットバンで保護して毎日観察をするようにします。

炎症所見があるか、ないかがとても大事な観察ポイントになると思います。



それから、潰瘍化してしまって創部の治りが悪いときに

プロスタンディン軟膏を使用しています。

これは心臓の手術の後などに使う注射薬もで同じ名前の薬がありましたが

血管拡張させる作用のあるもので、とても大事なお薬でした。

その軟膏??って最初は思いましたが循環をよくして血管を新生、

表皮形成を促進していく効果があるということです。

プロスタンディン軟膏をつかっていると、経過途中に時々

軽度な出血がみられてしまうこともありますが、それでも

感染さえおこさないように管理していれば治癒経過を辿ります。


軟膏選びはなかなか難しく、皮膚科の先生でも違う指示を

出す場合もあるので看護師が独断で判断するのは

本来違法行為にあたりますね。

それを承知して、以前使ったことのある薬などを中心に

嘱託医師との連携で軟膏を選んでいくことになります。


もちろん高価なドレッシング剤は施設にとっては使うのも躊躇しますので

浸出液がそれほど多くなければラップ療法で充分だと思います。

洗浄してラップを交換する手間がかかることになりますが、

安価なので在宅でも、通所でも、特養でも連携してできるものなら

積極的に取り入れています。




真菌疑う時は [皮膚のこと]

皮膚が円形に赤くなっていて、痒みがあるとき

真菌を疑って抗真菌剤を使いますが、

わかりにくいことも多々あります。

そういう時に、とりあえず、といって保湿作用のある

ワセリンやプロペト、オリブ油などを塗ってしまったり、

何にでも効果あるだろう、なんてステロイドを塗ってしまうと

真菌はさらに悪化してしまうことになります。


菌が繁殖しやすい湿潤環境を作ってしまったり

ステロイドの魔法で菌が元気になってしまったりするようです。


見分けがつかないから、といってあえて悪くなるか良くなるかを

はっきり確認したくてあえて、ステロイドを使うという

チャレンジもないとは言いませんが。。。


うちの施設では抗真菌剤はフロリードやラミシールを使っています。

ステロイドは作用の強弱もあるので一概に紹介できませんが、

ラミシールとマイザーというステロイドを混ぜて「ラミシールマイザー」を

処方してもらうこともよくあります。



真菌というと水虫の白癬菌やカンジダ菌がメジャーですが

足ばかりでなく白癬は手のひらにも、脇にも、お尻にも

いろんなところに出没します。

境界線明瞭な円形の発赤は真菌を疑うことが多いです。

カンジダも陰部に多いと思いますが、最近目に付くのは

ターミナル期の方の口の中です。

その場合は口腔用のフロリードゲルがあるので

軟膏ではなく口腔用を処方していただきます。


今日は介護職員から質問されたのでちょっとまとめてみました。

そうそう、水虫といっても本来きちんと顕微鏡でみてもらい

診断つけてもらわないと、似たような皮膚疾患もあるようですから

安易に水虫でしょ、なんて決められませんが参考までに。


傷は消毒しない? [皮膚のこと]

かすり傷や皮膚剥離、出血を伴うものから漿液性の浸出液があるのも、

いろいろな傷がありますが、褥瘡を含めて最近は傷を消毒することは

あまり推奨されていません。


炎症があるときにはもちろん、バイキンを消毒しなくてはいけませんが

そうでなく、普通の傷であれば本来人間の身体に備わっている

「自然治癒力」に任せてよいでしょう、ということです。

傷がきれいか、炎症があるのか、を見分けるには

簡単に炎症の兆候があるかないか、で判断します。


発赤、熱感、腫脹、疼痛、あとは機能障害で浮腫みがあったりします。


傷のまわりが赤く腫れていたり、熱をもっていれば感染を疑って

消毒、抗生剤が必要になります。



最初に傷を見て、まず消毒よりも先に洗浄をして、周りの雑菌を洗い流します。

それで大体の菌は入らないようですが、きちんと洗っていないと残ってしまいます。

洗浄は病院だと生理食塩水で無菌のものを使いましたが、

施設では水道水で行っています。これには賛否両論あるかもしれませんが、

日本の水道水は塩素も入っていて水道局がきちんと管理しているということで

清潔と考えても良い、という資料があるようです。

ただ、あまりにも広範囲で洗浄を毎日行うのにかなりの苦痛があってしみる場合は

生理食塩水のほうが体液と浸透圧が同じということで、痛みが少ないようです。

これは口内炎があるときのうがいでも同じことが言えます。



傷を洗った後、カットバンなど貼ればよいのですが、

傷をフィルム剤で閉じてしまうか、ガーゼで空気の出入りをあるようにしておくか、

それも感染があるかないかで判断しています。

感染しているのに密閉してしまうと、その中でバイキンは繁殖しやすくなってしまい

更に悪化することになります。

感染兆候がある場合は、密閉しないで毎日洗浄を繰り返します。


密閉することで湿潤を保ち皮膚の再生を促進するための環境を作りますが、

やはり1週間から2週間できちんと開けて確認することが必要だと思います。

以前、病院から来た方で1カ月もドレッシング剤を貼りっぱなしだった方がいましたが、

そういうことはあってはいけないことだと思います。



傷を消毒することは、正常な皮膚の細胞まで殺してしまう作用があるとされているため、

できるだけ消毒はしないで経過を見ていきたいと思っています。


リンデロンVG☆ゲンタシン [皮膚のこと]

今日はパートの職員さんから質問をされました。

「リンデロンを塗るって聞いた気がして塗ったけれど、

前はゲンタシン塗っていたと思って。リンデロンでよかったですか?」


一応、前には排膿したばかりで出血もあってゲンタシンでしたが、

まだ発疹らしきものがあり、医師の指示でリンデロンVGを塗るようになっています。


適応がどうかというのは、医師がしてくれるはずなので、

今回の記事は

リンデロンVGの「G」はゲンタシンの「G」でリンデロンVGの中にも

ゲンタシンが入っていると思ってよいです。。。っていうことで。


お薬の検索すればすぐにわかりますが、ステロイドと、抗生物質の配合剤になるので

細菌感染を疑う場合の炎症にも使いやすい軟膏です。

真菌の場合はかえって悪化させてしまうので使わないことが原則です。


リンデロンクリームとか、「G」が入っていないものは、

抗菌作用はありません。ステロイドのみになりますので、

表示をきちんと確認してください。

ステロイド(魔法の薬)については奥が深いのでまた別の機会に。。。








帯状疱疹 [皮膚のこと]

神経に沿って帯状に発疹が並ぶことから帯状疱疹、ですが、

教科書通りにきれいに並んだものばかりではないですし、

なり始めはまばらにポツポツという感じで、でてくるので

見てすぐにこれは!!って思うのは1~2日経ってからのことが多いです。


胸のあたりの肋間神経に沿ってでたり、

脇腹から腰のあたりにかけてだったり、

顔面神経にでることもあります。

目や耳の周囲はそれぞれの器官にも影響があるですし、

お腹の周りに出るときにはその部分の神経が関係する内臓まで

その影響はでることもあります。

明らかに腸の動きが悪くなり便秘になってしまう方もいました。

神経痛も人それぞれで、かなり痛がる方もいれば、

こんなにひどいのに痛くないの?っていう場合もありました。



治療も、アラセナ軟膏塗るだけでどうにか治る方もいれば、

ゾビラックスの内服で治る方、点滴治療をして治す方もいます。


ヘルペスウイルス=水痘=水ぼうそう=帯状疱疹


となりますので、水ぼうそうにかかったことのない方は、帯状疱疹が

感染しますので注意しないといけないです。

そのために施設でもスタッフが既往でかかっているかどうかは

把握しておくほうが良いと思います。

ちなみに、予防接種だけでは50%ほどは感染する可能性があるらしく

予防接種しているからといって油断はできません。


処置には手袋必須になります。

本来すぐに、皮膚科に行けばよいのですが、特養などの入居者では

発疹ですぐに受診というのは、なかなか難しいこともアリ

とりあえず軟膏などで軽減するかどうか嘱託医の指示を仰いだりして

ひどくならないか、様子をみることができます。

帯状疱疹ではないと思い、ステロイドを使ってしまうと

一日で悪化してしまうことになるので、翌日すぐに判断がつくかもしれません。


ひどいときにはお風呂もやめてシャワー浴だけにしたり、

順番も一番最後にしたほうが無難です。

接触の感染なのでウイルスが飛沫するわけではありませんが、

免疫力の低下していると思われる高齢者の方たちには

感染させないように注意が必要です。



高齢の方などは、神経痛がなかなか落ち着かず、

1年以上たっても、天候により痛みがひどくなったりする方も

いらっしゃるようです。性格にもよるということも書かれてますが

私の施設ではひどい痛みの時にはロキソニンなどの鎮痛剤を内服しています。







手の皮ムケ [皮膚のこと]

お恥ずかしい話ですが、ここのところ手のひらの皮ムケ、

指の間のただれがセットで治りにくいことが続いています。


どうみても真菌。。。

足なら水虫といってお馴染みですが、手の指の間にまでなんて

どんなケアをしているんだろう、っていう話になります。。。



どうしてこんなことになってしまうのか、というと

まず第一に不潔にしているから。

自分で手を洗うことのできる方は、ありえないことだと思いますが

自分で手を洗うことができず、食事も全介助、経管栄養という方になると

食前に手を洗う、せめて手を拭くということがきちんとできていないということです。


もちろんそれだけではなく、

第二に、手の指が拘縮してきていて、皮膚と皮膚が密着しているから

そこに菌が繁殖しやすい環境を作ってしまうことになります。



一日に何回か手洗いをして、抗菌剤を塗り、皮膚の密着を防ぐために

タオルを握らせたり、ガーゼに穴をあけて指を通し、指と指の間に空間を作れるように

いろいろな工夫をして治していっています。



それから、真菌による皮ムケかどうかという判断は本来皮膚科の医師が

皮膚を顕微鏡でのぞいたりしてきちんと診断を付けてから軟膏を処方されるものです。

私たち看護師が勝手に判断して良いものではありません。

ただ、医師の診察が難しいときには家にある、前に使ったことのある軟膏を

試してみるということは普通のご家庭で良くあることだと思いますので、

参考までに。。。。。





軟膏の塗り方など☆ワセリン [皮膚のこと]

基本的に上塗りはしません。

皮膚を清潔にしてから軟膏類を塗布するのが原則です。

清潔な皮膚でなければいけない理由もきちんとあります。

でも、もちろん時々は上塗りしちゃうこともありますが。


例えば。。。

自分の身体から出る体液が付着することで皮膚が赤くただれてしまうことがあります。

これは人工肛門の周囲に怒おこりやすいですが、おなじように肛門の周りにも

ちょっとした便の付着ですぐに荒れてしまうことが起こります。

排泄した便が、直接、肌に付着しないように、排泄後にきちんと洗浄して優しく拭き

そのあとにワセリンを塗ることで肌をオブラートで包み保護する役割をしてくれます。



けれども排泄用のタオルで大雑把に拭き、同じようにワセリンなどを塗っても

便が少しでも残っていれば肌を守ることはできません。


胃ろうの周りには胃液、肛門の周りには便と一緒に腸液がついて出て

消化酵素が入っているので自分の肌を消化しようとしてしまうことになります。

表現が専門家っぽくありませんが、簡単にいうとそんな感じです。

それで人工肛門の張り替えの時もきちんと周りを清潔にした状態で

張り替えなくてはいけないですし、胃ろうの周りからほんの少し漏れ出る胃液で

周りの皮膚はただれてしまうことになります。



赤ちゃんのお尻が赤くなってしまうのも同じ理由のことがありますが、

病院にいた頃「アンダーム軟膏」を使っていました。

でもアンダームでかぶれのような症状が出る方もいるということで、

より副作用のすくない「ワセリン」「プロペト」を使うようになりました。

ワセリンもプロペトも同じですがプロペトのほうが伸びが良い感じです。

まだマウスケア用品が充実していない時代には、プロペトをリップ代わりに

口唇に縫っていたこともありました。


ワセリン、プロペトは皮膚保護の意味でも使えますし、

保湿の意味でも使うことができ、市販されているものなので

簡単に手にはいりますので使いやすいと思います。








秋☆乾燥注意報 [皮膚のこと]

ようやく暑い夏が終わり、過ごしやすい秋になってきました。

そうなると、高齢の方の肌はカサカサになる季節です。

背中や腕や、腰回り、ひどい方は掻き傷だらけとなってきます。



痒いのだから痒み止めのレスタミンなどを塗るのですが、

痒くなった原因を考えて、予防的にも保湿することも考えます。

これは施設によって様々な対応があると思うので一概には言えませんが、参考までに。



まず、入浴後などにオリブ油やワセリンなどで皮膚を覆うことで

外からの刺激を遮断して、皮膚を守ります。



入浴前の服を脱ぐときに、カサカサとした皮膚の落屑が見られたら

入浴後に乾燥した部分にオリブ油を塗っておく、というのも

痒み予防の一つの策としています。


ただ、水虫や真菌と思われる場合には保湿することでかえって菌を繁殖させ

症状悪化につながるので注意しなくてはいけません。


ケア連携の研修でもありましたが、軟膏塗布するときに何も知らずに

薬を塗るのではなく、意味を分かったうえで薬を使って、

その後を観察することまで介護の方にも必要なこと、とされるようになってきています。

各施設によって、よく使っている軟膏があると思うので、よく聞く薬の名前は

どんな効果があるか、どんな時に使うのか覚えておくと良いと思います。






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