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寝たままで洗髪 [マニュアル]

ときどき安静が必要だったり、入浴ができないからといって

清拭だけで対応している方が、髪の毛を洗いたい、ということになります。

洗髪車やケリーパードなどの道具があればベッド上で寝たままで

簡単に洗うことができますが、何も道具がないとどうしても諦めてしまいます。



病院で小児科の時によく行っていたのですが、高齢者も髪の毛の量がそれほど

多い方は少ないと思うので応用して何回か行っています。参考までに。


<必要物品>

・お湯 ・100金で売っているような小さ目のジョーロ、又は洗浄ボトル(シャワー役)

・紙おむつ3~5枚程度 ・リンスインシャンプー ・ドライヤー 

・45㍑くらいのゴミ袋 ・タオル


1.ゴミ袋を一枚のビニールにハサミで切って開き、首の部分を半円型にカーブを付ける。

2.タオル、ゴミ袋ビニール、をひいて横になってもらう。

3.頭の下にビニールがくるようにして、ビニールと頭の間に紙おむつを重ねて敷く。

4.頭にジョーロなどで適温のお湯をかけて髪の毛をぬらし、シャンプーで洗う。

5.シャンプー終了したらお湯で流す。ジョーロなどで充分に洗い流し、

  足りない場合はバケツなどに用意したお湯をジョーロに追加して行う。

6.頭の下の紙おむつは水分が吸いきれなくなったら適宜1枚ずつはずしていく。

7.充分流し終わったらすべて外してタオルで拭き、ドライヤーで髪を乾かす。


お話や歌うこと [その他いろいろ]

おしゃべるすること、歌うこと、口を動かして発声することってとても大事なことで

発語が少なくなったり、音楽療法での歌を口ずさむことをしなくなったり、

そういう変化で口腔機能の低下を感じることが多くあります。


逆に、発語が少なくなった人にはたくさん話しかけて、首を振るだけの

質問ではなく、声を出して返事をすることのできる質問をします。

もちろんなかなか返事が来ないことも多く、何秒待つことができるか、

中には30秒ほどたってから、ようやく口を開く方もいます。

常食を食べていた方がなかなか飲み込むことができなくなったと

介護職員が感じている頃、音楽療法の先生も最近歌を歌うことが

少なくなったと感じていたそうです。


嚥下機能だけでなく、口腔内の顎関節の動きから舌の動き、

唾液の分泌など様々な機能が低下してしまうことで生活の中の

大事な食事することにまで大きく影響してしまうことになります。

音楽療法の先生方にも好きな歌を歌える機会をたくさん作っていただき

私たちも歌いながら働けるような職場になると良いのにな、と思います。

ICUでも鼻歌交じりで働いていたNSもいましたが、それくらいの

余裕をもって?仕事ができるといいなぁ、と思いました。


耳垢水 [その他いろいろ]

耳掃除は介護職員でも行ってよいとされていますが、

耳垢塞栓で詰まっている場合には耳鼻科受診をすすめます。

耳垢を取るためにある、耳垢水というものを特養に来て

初めて知りました。病院ではみたことありませんでした。


炭酸水素ナトリウムと、グリセリンと、精製水を混ぜてつくるらしいです。

お臍の掃除も、オリブ油などの油をつかって汚れを浮かせる方法が

教科書にも載っていたと思いますが、耳垢も同じように

油で乾燥している耳垢を軟らかくして、はがれやすくなるようです。

固い耳垢を無理やりとろうとすると出血する危険もあります。

あまり固い耳垢は耳垢水をいれてからかなり時間をおいて

耳掃除することもあるそうです。


もちろん耳垢水は医師の処方に基づいて、使うものですが、

薬局でのサービスということも無きにしも非ず、らしいです。


病院では見たことのないものが時々施設では使われています。

大きな病院でしか経験のない看護師ほど、施設とは違う世界で

医療を経験してきたということなんだろうな、と

感じさせられることがあります。

命を懸けても [ターミナルについて]

身体がとても衰弱していて、

ゆっくり寝ていたほうが良いと、

誰の目にもそう、わかるくらいの時。

それでも今までオムツしていたのに、どうして突然

「トイレに座りたい」なんて希望がでるのでしょう。

お風呂もきらいだったはずなのに

「髪の毛洗ってきれいにしなくちゃね」

なんて入浴の希望をされるのでしょう。


脈拍が微弱で、息も苦しそうなのに

それでも苦しくないです、って。

絶対苦しいはずなのに、苦しいっていうことも感じなくて

一度も苦しいって言わなかった。


そんな状態でトイレにいったり、

お風呂に入ったり。

普通、やめましょう、明日にしましょう、

って説得するのですが。


危険な状態で入浴して、案の定意識がなくなって

慌てて着替えて部屋に戻って、

そこまでしても、最期はきれいでいたかったのでしょうね。


こういう決断するのが切ないけれど、

病院では許されない事が多い個人の希望を

施設ならある程度叶えてあげられる。

医務は制限をかけるためにあるのではなくて、

日々の生活を守るためにいるんだと、

安心できるように、声をかけて、

観察をして、迅速に対応できるように。

そのための日々の関わり、

大切なものを見失わないように。

同じ目標に向かっていくのなら、

その上で各職種間での連携が必須となりますね。


寒くなってきたことで [いろいろな病気のこと]

ここのところ寒さ厳しくなってきました。

風邪も流行りだして、熱が出たり咳をしたり

痰が絡んでいるなぁっていう方も何人か。

それなのにお部屋で安静はできず、結局フロアー内を

歩き回ってしまい更に風邪が蔓延。

本当に悪循環です。

せめてできることとして、フロアー間での不必要な

行き来はできないように仕切りをする。

職員が媒介にならないように、マスク着用とする。

他の利用者を守る。


ショートステイの方もいるので、どこから菌が

舞ってくるのか大変なことなのですが、

一緒に同じテーブルでお食事される方が感染

しやすいのではないか?と思います。


また新たな風邪ひきがいませんように、と

祈りつつ仕事にいっています。

外出の許可等 [その他いろいろ]

特養施設にいる方の外出について、

ちょっとだけ買い物に行きたい、

ドライブに行きたい、

家族のいる家に行きたい、

それほど遠くではない距離の外出の許可は

誰がOKをだすのか?

医師の許可が必要かどうか?という判断になりますが、

きちんとした施設なら外出の届け出用紙があって

そこにそれぞれの立場の職員の印鑑が押される場所があり

嘱託医師、介護士リーダー、相談員、医務などの

それぞれの職員があらかじめ外出を知っているというのが

ベストなのかもしれません。


でも、突然思い立った思い、

みかんが食べたい、化粧水がなくなった、

家の様子を見に行きたい、

そういう気持ちっていうのは計画的に運べるものではなくて

今、すぐにほしい、そうしたい、っていう欲求があります。

そんな時誰が責任をもって行ってもいいよ、って言えるのか。


一人一人がどんな状態で、外出することによって

どんな危険なことが考えられるのか。

そこをきちんと予想することができれば、その危険と

その人の思いとを天秤にかけて測るしかないんだと思うんです。

その判断をする人は誰でも良いんだと思います。

必ずしも医療的な危険ばかりではないですし、

相談員だって、担当の介護職員だってある程度の

知識は医療に関しても持っているものだと思います。


もしも外食するとして、糖尿病の方はどうしたらよいか?

1日の摂取カロリーが決められているかいないか、

普段から血糖のコントロールはどうなっっているのか?

そういう細かい状態は医務の範疇だと思います。


その中で医師の判断が必要か、

看護職員だけの判断で大丈夫なのか、

もしかして介護職員だけの判断でも大丈夫ではないのか?

マニュアルがあれば何も考えずにマニュアル通りに

事を進めて行けばよいと思いますが、あえてない方が

自分の頭でいろんなパターンを考えて、判断することが

できるのかもしれません。


看護職員が大丈夫、と思って、普段からの家族との

信頼関係がきちんと取れていていろんな条件があれば

必ずしも医師の許可はなくても良いと思います。

もちろんターミナルであったり、呼吸状態が悪いなど

そういう時にはムリだという判断をすることもあると思います。


職員がやりたいことをやって、縛りなくいろんなことができる

というのは、それなりに職員の知識もあって、自信もなくては

なかなか一人で判断できることではありません。

それは看護職員にも同じことが言えると思います。

痰の吸引が必要な人だって、ポータブルの充電式の吸引器があれば

車のなかだって吸引することができます。

今の時期はそろそろ風邪、インフルエンザも流行ってきているので

大型店にいくのはちょっと勇気がいる時期になったかと思います。

そんなことを考えながら色んな場合を予想できると良いのではないでしょうか?


今日は、ご家族様とちょっとだけドライブにいくだけの外出に

介護職員さんは熱と血圧まで測って問題ないという判断を

私にさせてくれました。

うちの施設は「どうぞどうぞ、いってらっしゃい。」と

いつもだいたいダメということなく、許可することが多いです。

というのも本人の希望だからなのですが。


ターミナルの方も、ぎりぎりになる前にお家に帰ることができるのなら

本人が帰りたいのならその思いを叶えてあげたいと思います。

外出中に、外泊中に、もしも万が一のことがあったら、ということで

責任を取りたくないだけで許可できないというのはどうにかしたいですね。

なにかあったときに、どう対応すればよいかを常に考えていれば

外出先での場合も同様に考えられると思います。


特養での手の抜き方 [その他いろいろ]

人件費を考えて必要最小限の人数で、

という会社も多いことと思います。

介護ができることは介護で行えば、看護がどうしても

必要でいなくてはいけないということは少なくなると思います。


いつもは看護師がやっていることでも、法的に問題がなければ

検温だって、座薬をいれることだって、

介護にお任せしても良いのだと思います。

そういう前提での看護師の配置人数なんだと思っています。


余裕があれば看護が介護のお手伝いもできますが、

反対に、誰か手伝って~って感じることももちろんあります。


入浴前に検温できなかったとしても、元気そうなら良し、とします。

入浴後に問題がなかったね、って熱を測るのもアリだと思います。


軟膏を塗ったりするのも、もちろんきちんと状態をみて

その場で看護師が塗るのが一番良いことだとしても、

時間がなければCWにお願いします。




そのほかに、どこで手を抜くかというと。。。


毎日でなくても、悪くならない傷の状態を処置しないでおくとか、

補充などの雑務は人数の多いときに回す。

少しだけの吸引瓶の洗浄は翌日にする。

目立たないところでこっそり手をぬくことにしています。

傷の確認もできないときはできない、ひどくなるようなら

CWがきっと報告してくれるはず、と信じています。


H17年に医療行為ではないと明確にされた部分については

介護職員でやっていただけると、本当に看護師が人数少なくても

やっていけると思います。

ただ介護職員もそこまで人数的に余裕がないことが問題なのかもしれません。



省いてしまっても良いことが見えてくると

最低人数でもやってやれないことはないのかもしれません。


こんなことを記事にしてしまってすみません。。。



突然の痙攣発作のとき [いろいろな病気のこと]

訪室したら、身体がピクピクしていて痙攣しているところを発見、

そんなところに遭遇することに慣れている介護職員さんは

なかなかいないのではないかと思います。

びっくりして当然ですし、慌てちゃいます。


痙攣について、ネットで検索すればいろいろな情報、

対処方法が出てくることと思いますが、程度もそれぞれ、

そんなに大騒ぎしなくても、っていうくらいの小さなものから

呼吸の心配をしなくてはいけないくらいの重症なものまで

その場にいなければ口頭で状態を伝えるのが難しいと思います。

全身のけいれんか、半身や一部分だけなのか、

どれくらいの時間継続していたのか、もっと詳しく観察できれば

その時の呼吸は止まっていないか、眼球はどうなっているか、

時計がなくてもおよその感覚で秒単位なのか、分単位なのかの

目安を伝えていただければ、全くわからないよりも参考になります。


今回、ちょうどいろいろ考えたことがあったのですが

入れ歯をどうしたらよいか、ということでした。

原則、痙攣がおきたら舌を噛んでしまうことを防止するため

入れ歯ははずしていただくように指示します。

そうしたところ、舌と上顎との口腔内の空間が広くなるので

舌根が厚くなり、舌根沈下での窒息の危険が増すということに

なってしまいました。これもその人それぞれの状況により

そういう方ばかりではないとは思います。

普段から日中は入れ歯を入れていても、夜寝る時には

はずしていただいていたのでその通りにすればよいのですが、

痙攣が起きたことで口腔内にも変化をきたし、普段より

舌根が前に出ないで奥の方に入り込みやすい形になっていました。

離床できずに、臥床している時間が長くなったことも影響

しているかもしれません。


突然の痙攣をみて、1人で痙攣中の方の義歯をはずすことは

なかなか難しく、手を入れれば手を噛まれる危険もあります。

痙攣が予想されるのであれば、薬の調整などで状態が落ち着くまでは

義歯ははずしておいてほしい、と思うところでしたが、

今回、歯科衛生士さんから舌根沈下しやすい状況、というのを

説明していただいたので、考える幅が広がりました。

クッションや車椅子 [体位のこと]

病院にいた頃には普通の車椅子と、リクライニング、

そのくらいの区別はありましたが、それほどいろんな機能が

ついている車椅子は施設で働くようになって初めてみました。

そもそも「手引き歩行」という言葉も大学病院では

聞いたことのない介護用語で、「ご不浄」などという言葉も

しばらくは「牧場」に聞こえていたので、どうして「牧場」に

行きたいっていうのか不思議に思っていたくらいです。


病院では体位変換も専用の三角のクッションがあって

ちょうど肩からお尻のあたりまできちんと支えることができるものが

準備されていました。車いすに座りっぱなしという生活もないので

ロホクッションの必要性もありませんでした。

ポジショニングといっても、ベッド上での良肢位を保つことが多く

車椅子などでの姿勢にこだわるような時間は少なかったと思います。

施設に来て、専用のクッションではなく、座布団や枕を使っていることを

多く見かけるようになり最初は違和感を感じていましたが

それも少しずつ見慣れてくると、不自然ではなくなってきました。



車椅子についても、足台が横に開いたり、ボードでの移乗のため

手すりが上に上がったり、下がったり、取れるようになっているものや

背もたれの角度だけでなく、足の方の角度と連動して動くようになっている

車椅子などいろいろな種類があってそれぞれの使い方がわからず、

どこがどう動くのか、その都度やってみたりしながら覚えています。


専門の知っている人が必ずしもいるとは限らず、看護ではなく

介護職員の中でもそれほど詳しく知っている人ばかりではないので

せっかくの良い性能を持つ車椅子も、宝の持ち腐れになっている

という可能性もあります。


車椅子やクッションの選び方、なかなか勉強する場もなく、

現場での経験を積んで覚えていかなくてはいけない、というところです。。。

ターミナルの時の点滴 [ターミナルについて]

家族からは「点滴したら元気になって身体も楽になるのでは?」

っていう質問をされることがあります。

今まで浮腫みがひどくて利尿剤を使ってちょうどよく

コントロールしていたり、心臓もそれほど丈夫じゃない、って

90代後半にもなれば誰でもほとんどの方がそんな感じになることが

多いのかもしれませんが。。。


特養施設では基本的に病院ではないので、夜間看護師不在の間も

持続の点滴をつないでおくことはあまりないことだと思います。

点滴の針が抜けてしまったときに気が付かなくて、出血多量に

なることも考えられますし、点滴の交換も介護職員にお願いしても

良いことだとは考えられません。

そうなるとIVHなどの高カロリー輸液はできず、抹消血管から入れる

普通の点滴のみ、看護師のいる時間でという開業医と同じレベルが

精一杯の対応ということになります。

家族だけでなく本人からも

「点滴すればご飯を無理して食べなくても大丈夫なの?」

っていう質問もありました。

でも、抹消の手や足から入れる点滴ではカロリーはそう高いものは入れられません。

ポカリスエットを飲むのと同じような電解質のバランスが整った

水分補給程度になってしまいます。口からジュースが飲めているのなら

点滴までして水分を補う必要がどのくらいあるのでしょうか?


ターミナル期の倦怠感、身の置き所のない辛さ、

そういうのは必ずしも脱水からのみおこりうるとは考えにくく

貧血だったり、肝、腎機能悪化だったり、長期臥床による苦痛だったり

何が原因で安楽を阻まれているのか、きちんと多角的にアセスメントしないと

分からないことだと思います。ただ、検査データがないと判断できないことも多く

推測で対応するしかないことも病院とはちがう施設の難しいところです。


点滴をして体内の水分を増やすことで、もしかしたら心臓に

負担をかけてしまうことになるかもしれないですし、

貧血の血液がさらに薄くなって、身体がだるいと感じてしまうかも

しれません。したほうが良い、しないほうが良い、というのは

誰にもわからないことかもしれません。

その判断を家族や、看護師が簡単にしてしまうことはできません。


本人の気持ちを優先しつつ、それぞれの家族が看ている立場の気持ちではなく、

本人の気持ちを上手に確認して本人の希望に沿うような形での

ターミナルを手助けできれば、と思っています。




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