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特養で看れるか、看れないかの判断 [いろいろな病気のこと]

施設の中での決まり事で、インシュリンの方は無理です、

気管切開の方、経鼻経管栄養、膀胱留置カテーテルの方は無理です、

こんなことばかり決めてあって、何も受けれできないっていうこと?

そういうご家族様、ケアマネの方、相談員の方

たくさんいると思います。在宅で看れるのに、プロのいる施設で

見れないわけがないじゃない、って。それもわかります。


でも職員はプロでも家族にはなれません。

看護師がいても医師がいません。

看護師は医師の指示のもとで処置をします。



上記した条件はうちの施設での決まり事ではありませんが

守るべきものを施設で働く職員とするならば

法整備が整っていない特養施設においては妥当なところかと思います。


インシュリンの針はどうしてリキャップしないと針が

はずれないようになっているのでしょう??

注射針の針は使用後にキャップをしないで破棄できるよう

針を手で触れずに針が外れる針入れがあります。

そのくらいのことは業者側できちんと考えていただきたいです。


経鼻経管栄養の方も何も問題のない胃で、スムーズにチューブが

入れ替えできるのなら特養でも看護師が入れ替えできます。

でも、胃ろうが作れない=何らかの問題がある

ということで普通の胃管の入れ替えより慎重になります。

胃液の逆流だって食道にまで胃液が上がってきていれば

チューブが途中で折れ曲がって上向きになっていても

胃液が引けてくることもあります。それでOKと判断し

栄養注入したら間違いなく気管に栄養が流れ込みます。

その後はどうなるか、介護職員のかたにもわかると思います。

なかなか入らなくて、胃の入り口(噴門)は閉まってしまうと

チューブで突いてしまってますます閉まってしまい刺激で出血、

ということも簡単に起こりうることです。

胃の形がひょうたん形できちんとチューブが挿入できているかどうか

判断が難しい場合もありますね。

レントゲンで写真をとればわかることですが、特養にはありません。


膀胱留置カテーテルも、トラブルがなく浮遊物も少なく尿路感染も

起こしにくいのなら特養でももちろん管理できます。

尿の中の浮遊物が多くて詰まってばかりでは、今はしなくなったという

膀胱洗浄をおこなうことになるかもしれません。

膀胱の中に生理食塩水(イソジン交じりのもののこともありました)

を流して膀胱の中を洗うのですが、今ではかえって細菌を拡散したり

して良くないという賛否両論あるようです。

そんな処置一つも医師の指示がなければできないことですし、

その処置対応の3WAYカテーテル(三股)のチューブでなければ

手動で行うこととなり、更に自分たちの手で膀胱へかける圧力を

調整しなくてはいけません。

できないことではないですが、どの看護師も同じレベルではありません。

施設にできる物品があるかどうか、というのも違ってきます。


管が留置されてなければよいだろう、とチューブを抜去されて自尿で

対応ということで入所されても残尿が多くて膀胱内に尿が残っていると

残尿感を訴えて辛い思いをするようでは困ります。

それは導尿で1日に何回か私たちが尿道に管を入れて排尿することになり、

夜間は結局、管を留置しなくてはいけない、という状況も

場合によっては考えられます。


だから結局のところ、ひとつひとつのことでの線引きをいくらしていても

その人の身体の状態によってできることと、できないことは違うし

今は大丈夫でも状態が変われば見た目が変わらなくても特養では

限界がくることをあらかじめ予想して、お断りすることもあります。

どこまできちんと他職種で話し合って、お互いの意見をきちんと聞いて

家族の協力体制や職員の技術レベルも考えたうえで

誰も傷つくことのない判断をできることが望まれます。

私たち看護師だけでは、限界があります。

鋭い観察力をもって介護してくれる介護職員、

タイミングよくケアマネが介入し受診の調整をしてくれる協力体制

そして欠かせないのが理解ある医師の存在です。

医師にも専門分野があるのでそれも考えたうえでの判断をお願いしたいところです。

そういった職員の連携がとれて、初めて危険なことを予想しながら

特養でも見ていくことができるのだと思います。


何でもムリ、という考えは誰もがしたくないけれど、

連携のなかのどこかが足りないと思えるのなら

受け入れできるはずの条件であっても無理です、という状況もあるのだと。

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